フレッド・アステアの初期録音集
ナクソスの3番目を聞いたので他の2枚もきちんと聞くことに
今回は1枚目
1923年から1930年の録音で、姉アデルとのデュエットが多い
①② 1923年10月の録音
おお、98年前じゃないか!
さすがにこの時代の録音はせかせかと進んでいく感じ
フレッドもアデルも叫んでいるようだ
解説によると、この2曲はラッパ吹き込み(acoustically recorded)
② 冒頭2人の掛け合いが50秒ほど続いてようやく歌に
③~⑧ ガーシュイン兄弟の『レディ・ビー・グッド』からの6曲
そのうちなんと4曲はGeorge Gershwin自らがピアノを弾いている
自作自演!凄いと思っていたけど今ではかなりのCDに収録されている
録音は1926年と前回から3年経っている
このためか、ピアノだけの伴奏だからか
叫んでいるような感じはかなり抑えられている
こちらは電気吹き込み(electrically recorded)とある
さて、作品は初の兄弟でのコンビのもの
ネットには、曲にタイトルにはOh!がつかないが、
ミュージカルのタイトルとしては『Oh! Lady be Good!』と、
Oh!がつくのが正解と書かれているサイトがあるが
このレコードを見る限りはそうではない
他にも年始に入手した当時のイギリスのプログラムにもOh!がない
(コレは次回に詳しく見る予定)
④ ファシネイティング・リズムはよく聞く歌だけど
この録音は時代を感じる仕上がり
⑤ フレッドのソロ
途中のタップはピアノと対話するように展開する
タップに入るとき、
ラプソディー・イン・ブルーのフレーズを思い起こさせるピアノあり
タップ中はオフマイクながら気合いを入れる声が聞こえるほどの熱演
⑥ 再び姉アデルとのデュエット
アデルの声が高すぎるからかなあ
時代を感じさせずにいられない
⑦⑧ 劇場のオーケストラとの共演
⑦ 2人が同時に歌う言葉遊びを楽しむ曲
聴くのは初めて
でも、間奏は聞き覚えあり
⑧ アデルの相手はフレッドではない
このヒトが歌いあげるタイプなのでアデルの高音と相まって余計に時代を感じる
この辺りを聞くとアステアの歌のモダンさを感じる
⑨から⑭は、さらに2年経った1928年11月の『ファニー・フェイス』の録音
録音は26日と29日、公演は同月の22日から始まっている
オーケストラとの録音だがピアノがフューチャーされている
⑨ 最後に何故か、『戦場にかける橋』のサルゴリラチンパンジーのメロディーが流れる
⑪ 「ス・ワンダフル」せっかくの曲なのにフレッド・アステアは歌っていない
お相手はバーナード・クリフトン
こちらの歌手も古色蒼然たる感じは否めない
⑫ フレッドと男性コーラスとの掛け合い
⑬ またアデルとバーナード・クリフトンとのデュエット
⑭ 今ではスタンダードになっている1曲
アステアはピアノソロをバックに、激しいタップを交えながら歌っている
⑮⑯は1929年4月の録音
⑮はアステア・ストーリーでも歌っている
歌詞に出てくるアナベル・リーはポーの詩から来ているのか
⑰ こちらもタップを交えてのクールな仕上がりで大好きな1曲
歌詞の中には "ルック・ライク・ゲイリー・クーパー" が出てこない
モロッコが1930年、ビミョウなタイミングかな
解説にはスクリーンテストのときのエピソード「禿げている」
ライナー掲載の写真は1927年
20代後半でこのオデコなら頷ける
2011/11/12 HMV(630)
令和5年3月追記
ヤフオクで発見
帯付きで流通したものもあったようだ