【CD】オリジナル・ミルス・ブラザーズ(1931-1935)/ミルス・ブラザーズ

先日届いたデッドストックもののCDを

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帯には初CD化とあるが、22曲の大盤振る舞い

LPは2枚組だったんだろうか

 

副題として1931年から1935年とあるが

デッカレーベルは1934年創設

ライナーの締めにはMCAとの原盤契約の関係から

ブランズウィック録音は収録できなかったと書かれているんだけど

ブランズウィック録音は1曲目のタイガー・ラグのみ?

それともロンドン録音となっている1934年のものもそう?

いずれにせよ、(1931、1934-1935)が正しい

 

アルバムタイトルにもなっている「オリジナル」の構成メンバーは

写真に写る4兄弟

でも、この翌年の1936年に長兄ジョンJrが他界

その後は父のジョンが参加しているので純粋にブラザーズと名乗れるのは

ここまで

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Tiger rag

これは『ハリウッド玉手箱』に収録の録音と同じもの

bingcrosmycd.hatenablog.com

改めてプレイングタイムを見ると1分48秒

エッセンスが詰め込まれた2分弱

短さを全く感じさせない歴史的名演

当時のSPレコードの宣伝文句に偽りなし

bingcrosmycd.hatenablog.com

どうやらオリジナルはコチラ

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② Lazy bones

ここからが1934年の録音

6月13日となっているロンドン録音

ビンクロのデッカ初吹き込みは8月8日

マトリックスからデッカの第1号は間違い無し

この辺りがブランズウィック?デッカ?

1曲目の疾走感は無くなったけれども

全くもってレイジーな1曲

ジェフ&エイモスも録音

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③ Nagasaki

こちらも6月13日のロンドン録音

歌詞を見ててもどこを歌っているか迷子になる歌

タイトルの長崎の他に富士山が出てくる

富士山とママが韻を踏んでいる

 

 

④からが9月12日ニューヨーク録音になっているからデッカ?

1934年9月12日に④⑤⑥⑰

9月13日に⑦⑧

9月14日に⑨⑩⑪⑫⑬⑱ 

 

④ Sweet Georgia Brown

後半は器楽ソロのリレー(もちろん模写)

もうトランペットにしか聞こえない

 

⑤ Old fashioned love

こちらも間奏のソロはミュートトランペットにしか聞こえない

 

⑥ Sweeter than sugar

アーヴィング・バーリンらしいけれども初めて聞く曲

今回の間奏はスキャット

そのスキャット声帯模写のトランペットが呼応する

 

⑦ Ida,sweet as apple cider

サイダーの元になっているフランス語シードルは

それだけでりんごのお酒を指すはずだから

Appleをつけなくてもいいんじゃないのかと調べてみると

アメリカやカナダではりんごジュース(英語だとアップルジュース?)と

アップルサイダーを区別している

濾過するのが、りんごジュース

濾過しないで濁った感じになっているのがアップルサイダー

ミルスが歌ってるところの歌詞だけ見ると

ノロケの歌かと思うんだけど

歌われていないヴァースに登場するのは黒人娘

アイダとサイダーで押韻させるためかと思ったけれど

濾過するりんごジュースでは成り立たないのか

 

日本でサイダーと言うと炭酸のイメージがあるけれども

どうもその定義はなさそう

しかもアルコールは入っていない

じゃぁ炭酸が入ってるは何と呼ぶのかとみるとレモンライム

海外に行った時のスプライトにレモンライムの記載の記憶あり

これはレモンとライムの香味が入っていると思っていたら

炭酸ということだったのか

 

また、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドではレモネードと呼ぶらしい

が、映画で見る自家製レモネードなんてどう見てもシュワシュワしていない

これはアメリカの田舎で飲んでいるシーンだからか

日本では、三ツ矢サイダーキリンレモンの二大巨塔があるから

どうしても炭酸飲料と思いがち

お酒ならまとまった教科書的なモノを見かけるけれど

ソフトドリンクはムズカシイ

 

⑨ Some of these days

スタートこそ全然違うけれど

解説にもあるように後半のスキャットではビンクロの同曲を思わせるフレーズあり

ここでも、コーラスとともにご機嫌なトランペット模写、ベース音まで絡む展開は最高

 

⑩ I've found a new baby

オープニングで飛び込んでくるトランペットの音なんか

もう模写じゃないよ

 

続く⑪ Lime house blues  もスウィンギー

⑫ Rocking chair で一転してスローに

コレ聴くと、ミルスに求めるのはこれじゃないんよねってなるな

ココで語りを担当しているのは、まだメンバーじゃない父

⑬ There goes my headache

求めているのはこれと言わんばかりの軽やかな曲

 

⑭ Don't be afraid to tell your mother

淡々と進むどうってことない静かな曲調(1935年録音)

 

あまり記憶に残らない⑮ What's the reason が来て

これぞミルスの ⑯ Lulu's Buck in town

コーラスに絡むベース音が印象的

途中の歌詞にMr. Otis regrets〜って出てくるが

この曲は1935年のワーナー映画「ブロードウェイ・ゴンドリエ」の挿入曲

録音は1935年10月28日

 

次の ⑰Miss Otis regrets はコール・ポーターが1934年に書いている

(録音は1934年9月12日)

返歌になっている?

 

この曲を初めて聴いたのはフレッド・アステア

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アステア・ヴァージョンはミルスよりもなお語りっぽく

いったいこれは歌なのか~?と思ったもの

(高校生の時だしね)

まあ、やっぱりミルスも語りかな

 

それよりもアステアで聞いていた時は

お昼に来れなくて残念

程度の歌だと思っていたのに、歌詞を見るととんでもない展開だった

 

⑱ タイガー・ラグの再録音

こちらも3年前の録音と同様

疾走感とともに駆け抜ける1分43秒

 

その後は

穏やかな仕上がりで可もなく不可もない⑲ Sweet Lucy brown

聞いたことのない、そして曲調自体もあまり聞かない⑳

 

ローバラードの ㉑ Moanin' for you

もう、コーラスもスキャットも楽器模写もない

こうなるともうミルスでなくても良いのかな

火の出るような疾走感が欲しいところだけど

スローでハモられると宗教歌のようにも聞こえてしまう

㉒ Switch and slow で終了

曲は⑯と同じ映画『ブロードウェイ・ゴンドリエ』の主題歌で同日録音なのに

なぜかトリ

 

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