4番は2番と同様、フルトヴェングラーのEMIレコーディングスにも収録
オーケストラも、会場も、日も違うベートーベンの序曲2つと抱き合わせ
ボックスに有りがちな詰め込む戦法かと思いきや
単体でも、このカップリングで発売されていたようだ
第1楽章 12分38秒
初っ端から「流れる」というより追い立てられる感じで
1分もしないうちに息苦しさを覚えてしまう展開
8分手前で、解放されたようになるも
すぐに畳み掛けてくる弦の響きは落ち着くときを
与えてくれない
第2楽章 12分12秒
静かなところでは、観客の咳き込みが聞こえるライブ録音
第3楽章 6分28秒
派手なオープニングだが
乱打するティンパニの音圧は、この時代の録音レベルを遥かに超えてしまっている
その後の2分50秒、明るくなる直前の弦は
苦しくなるほどに物悲しい
第4楽章 9分48秒
ラストに向けて、6分10秒を過ぎてからは
押し寄せてくる音塊
EMIスタジオのリマスターでも如何ともし難かったか
激しい流れと相まったティンパニの連打が
逆に痩せた音に聞こえてしまう
ただし、3分を過ぎてからの弦だけの疾走感は美しい
『レオノーレ序曲第2番』
4分台で展開する溜めに溜めた流れ
7分台になってようやく解放される安堵感
そこにたどり着くまでの息苦しくなる展開
16分05秒の中に存在する緩急
締め付けられる位の抑圧に続いて訪れる開放感
狭いレンジで展開される音質がそんな風に感じさせるのか
これがフルトヴェングラーの音楽なのか
2015/10/12 HMV(3,190円、支払いは1,187円分)