【CD】ビヨンド・ザ・シー ~ジャケットそのまんまの50年代アメリカン・ポピュラー、帯にもあるオリジナル音源の出所はソニーミュージックなだけに充実~

ローズマリー・クルーニーの『タバスコの香り』を聞いていると

ライナーで彼女のヒット曲、マンボ・イタリアーノに言及

手元にある数少ない彼女のアルバムを探したが

シングル・ヒットのため、ベスト盤に収録されている様子

「ベスト盤=邪道」思想のため、極力買わないようにしていることもあって

ブツなし

でも、このコンピレーションに入っていたはず

と、引っ張り出してきたのがコチラ

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コンピレーションの方がもっと邪道だと聞こえてきそうだが

HMV辺りのセールだったはず

邪道と言わず、とても便利

ただ、聞き方としてはサラッと

前のクルマに落としてたから

何度かは聞いている

先日見た『ジゴロ・イン・ニューヨーク』にも使われていた

ディーン・マーティンのSWAYも

せっかく引っ張り出したこの機会に

きっちりと聞くことに

(と、書きだしたのは昨年11月の初めになる)

 

 

2つ折りのカラージャケットに別立てのライナー

ココには簡単な曲紹介と歌詞・訳詞

しかも、歌詞と訳詞は横並びにされていて理想的

 

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① ボビー・ダーリンはケヴィン・スペイシーの映画で見たのみ

ビヨンド・ザ・シーと伸びやかに気持ち良さげに歌っている

歌っているけど、ボビーはこれだけあればイイかな

 

② SWAY

ディーン・マーティンのラテンの魅力あふれる曲

 

ビック・ダモンも持っていない一人

なんだかシナトラの若い時っぽい声

 

④ 今となってはスズキ・ハスラーのコマーシャルソング

ペリー・コモのパパ・ラブズ・マンボと

バックコーラスが、要所要所でウッ!

1954年録音はルンバでもサンバでもなくマンボ

 

サラ・ヴォーンのバードランドの子守唄

それ以上に何の説明もいらない超有名曲


英詞では、柳と枕が押韻しているけれど

訳詞ではスルー

⑥ バディ・グレコは名前すら聞いたことのない人

1分30秒の小曲

 

⑦ こちらも知らないジェリー・ケラー

シンガー兼ソングライター

当時はこういう言い方をしないのかもしれないが、彼自身が書いた一曲

 

⑧ 少し弱く聞こえる高音のクリス・モンテスも知らない一人

 

⑨ トリニ・ロペスも初めての歌手

収録曲「君なしでも」は、ブンブンブンブンが耳に残る

 

ジョニー・マティスも名前だけ

甘甘の歌い方なんだ

 

⑪ 「ロシアより愛をこめて」のみのマット・モンローがジャジー

 

⑫ フィンガー・スナッピングを効かせた「パリの空の下」

アンディ・ウイリアムスは英語で

 

⑬ エラが優雅に歌う「マンハッタン」は1956年の録音

歌詞の中に出てくるマイ・フェア・レディーのブロードウェイ初演も同じ年

このときのイライザはジュリー・アンドリュース

⑭ 13に続きロジャース&ハートの曲

激しく仕上げているデラ・リーズも初めて聞く人

 

⑮ キャッチーなメロディーの「13人の男たち」

歌詞を見ていくとアナタハンの世界が展開されると思いきや

two girls for every boy の女版かな、しかも欲張り

1962年録音、ここでもマンボを踊っている

 

⑯ セルベッツア(ビール)がタイトルのインストルメンタル

 

⑰ ここでロージーのマンボ・イタリアーノ

歌詞には押韻するためだけのイタリアの食べ物

 

⑱ エキゾチックなままにエロチックな歌唱の「教えてタイガー」

とてつもなくセクシーな歌い方なのに

恋するのは初めてだからキスの仕方も教えて

とは言うものの、最後はあなたに愛し方を教えるんだって

結局は恋のテクニシャン

宇宙船チャレンジャー号のモーニングコールとなったと書いてあるが

この歌で起きたの?

 

⑲ 一転してのケ・セラ・セラ


Burt Bacharach名義だけれど、最後まで女性ボーカル

 

スティーヴィー・ワンダーライザ・ミネリによるカバー

まさに太陽が輝いているような歌い方


㉒ バースから入っての ♪ フラ~イ

伸びやかな歌は1965年の若きトニー・ベネット

でも、シナトラを聞き慣れた耳にはスローすぎて今にも墜落しそう

 

㉓ 続くベティー・ベネットも初めて聞く名前

トニー・ベネットと関係あるのかと思ったら

アンドレ・プレヴィンの奥さんとの事

そして、演奏もプレヴィン

彼のピアノが要所要所で鳴っている

 

歌詞には「革命」と言う単語が出てくるけれども、録音は1955年

キューバ革命はもっと後(1959年1月1日バティスタ政権打倒)だと思っていたら

カストロが蜂起したのは1953年

これが失敗してメキシコへ亡命

録音されたのはちょうどその頃

こんな時代背景を調べて聞いてみると

当時のアメリカの能天気さに拍車がかかる

 

日本語訳では、単にカクテルとなっているところは

原詞ではバカルディ

 

ペレス・プラードのマンボ

㉕ クールなアントニオ・カルロス・ジョビン

対称的だけど2曲とも1950年代

ビールのコマーシャルでお馴染みのブラジルだけど、

あまりにクールすぎて暑い最中、飲みたい気分にはならなさそう

 

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