ローズマリー・クルーニーの『タバスコの香り』を聞いていると
ライナーで彼女のヒット曲、マンボ・イタリアーノに言及
手元にある数少ない彼女のアルバムを探したが
シングル・ヒットのため、ベスト盤に収録されている様子
「ベスト盤=邪道」思想のため、極力買わないようにしていることもあって
ブツなし
でも、このコンピレーションに入っていたはず
と、引っ張り出してきたのがコチラ
コンピレーションの方がもっと邪道だと聞こえてきそうだが
HMV辺りのセールだったはず
邪道と言わず、とても便利
ただ、聞き方としてはサラッと
前のクルマに落としてたから
何度かは聞いている
先日見た『ジゴロ・イン・ニューヨーク』にも使われていた
ディーン・マーティンのSWAYも
せっかく引っ張り出したこの機会に
きっちりと聞くことに
(と、書きだしたのは昨年11月の初めになる)
2つ折りのカラージャケットに別立てのライナー
ココには簡単な曲紹介と歌詞・訳詞
しかも、歌詞と訳詞は横並びにされていて理想的
① ボビー・ダーリンはケヴィン・スペイシーの映画で見たのみ
ビヨンド・ザ・シーと伸びやかに気持ち良さげに歌っている
歌っているけど、ボビーはこれだけあればイイかな
② SWAY
ディーン・マーティンのラテンの魅力あふれる曲
③ ビック・ダモンも持っていない一人
なんだかシナトラの若い時っぽい声
④ 今となってはスズキ・ハスラーのコマーシャルソング
ペリー・コモのパパ・ラブズ・マンボと
バックコーラスが、要所要所でウッ!
1954年録音はルンバでもサンバでもなくマンボ
⑤ サラ・ヴォーンのバードランドの子守唄
それ以上に何の説明もいらない超有名曲
英詞では、柳と枕が押韻しているけれど
訳詞ではスルー
⑥ バディ・グレコは名前すら聞いたことのない人
1分30秒の小曲
⑦ こちらも知らないジェリー・ケラー
シンガー兼ソングライター
当時はこういう言い方をしないのかもしれないが、彼自身が書いた一曲
⑧ 少し弱く聞こえる高音のクリス・モンテスも知らない一人
⑨ トリニ・ロペスも初めての歌手
収録曲「君なしでも」は、ブンブンブンブンが耳に残る
⑩ ジョニー・マティスも名前だけ
甘甘の歌い方なんだ
⑪ 「ロシアより愛をこめて」のみのマット・モンローがジャジーに
⑫ フィンガー・スナッピングを効かせた「パリの空の下」
アンディ・ウイリアムスは英語で
⑬ エラが優雅に歌う「マンハッタン」は1956年の録音
歌詞の中に出てくるマイ・フェア・レディーのブロードウェイ初演も同じ年
このときのイライザはジュリー・アンドリュース
⑭ 13に続きロジャース&ハートの曲
激しく仕上げているデラ・リーズも初めて聞く人
⑮ キャッチーなメロディーの「13人の男たち」
歌詞を見ていくとアナタハンの世界が展開されると思いきや
two girls for every boy の女版かな、しかも欲張り
1962年録音、ここでもマンボを踊っている
⑯ セルベッツア(ビール)がタイトルのインストルメンタル
⑰ ここでロージーのマンボ・イタリアーノ
歌詞には押韻するためだけのイタリアの食べ物
⑱ エキゾチックなままにエロチックな歌唱の「教えてタイガー」
とてつもなくセクシーな歌い方なのに
恋するのは初めてだからキスの仕方も教えて
とは言うものの、最後はあなたに愛し方を教えるんだって
結局は恋のテクニシャン
宇宙船チャレンジャー号のモーニングコールとなったと書いてあるが
この歌で起きたの?
⑲ 一転してのケ・セラ・セラ
⑳ Burt Bacharach名義だけれど、最後まで女性ボーカル
㉑ スティーヴィー・ワンダーのライザ・ミネリによるカバー
まさに太陽が輝いているような歌い方
㉒ バースから入っての ♪ フラ~イ
伸びやかな歌は1965年の若きトニー・ベネット
でも、シナトラを聞き慣れた耳にはスローすぎて今にも墜落しそう
㉓ 続くベティー・ベネットも初めて聞く名前
トニー・ベネットと関係あるのかと思ったら
アンドレ・プレヴィンの奥さんとの事
そして、演奏もプレヴィン
彼のピアノが要所要所で鳴っている
歌詞には「革命」と言う単語が出てくるけれども、録音は1955年
キューバ革命はもっと後(1959年1月1日バティスタ政権打倒)だと思っていたら
カストロが蜂起したのは1953年
これが失敗してメキシコへ亡命
録音されたのはちょうどその頃
こんな時代背景を調べて聞いてみると
当時のアメリカの能天気さに拍車がかかる
日本語訳では、単にカクテルとなっているところは
原詞ではバカルディ
㉔ ペレス・プラードのマンボ
㉕ クールなアントニオ・カルロス・ジョビン
対称的だけど2曲とも1950年代
ビールのコマーシャルでお馴染みのブラジルだけど、
あまりにクールすぎて暑い最中、飲みたい気分にはならなさそう